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蘇我馬子の墓 モオツァルト ドストエフスキーの生活 実朝 西行 本居宣長 | 日々是好日このページでは、酒井が日々感じていることをコラム風に書き綴っていきたいと思っています。 #4・戦時中ロシア・ウクライナ問題が勃発してちょうど2ヶ月が経った。僕自身ほとんどテレビを見ない生活だが、いわゆるメディアで報じられている論調は、ヒシヒシと感じる。またネットからの情報に日々接していても、ロシアが正しい、ウクライナが正しい、とどっちの主張も混在し、もちろん中立の立場に立つ意見も数多い。 いずれにせよ僕が強く感じるのは、いわゆる戦時的な雰囲気が強まるということは、本当に様々な意見が飛び交う状況を生み出すのだな、ということだ。そして、その様々な意見について、同意したり、反対したりする人々の反応の強さが以前よりも増している様に感じる。もし今が戦時中と言ってよいならば、これはそういう状況下の特殊なことなのだろうか。 日本に限って言っても、歴史上何度でも、近いところで考えれば、江戸末期でも、明治以降の幾多の戦争時でも、戦時中を経験してきている。第二次大戦後であっても、日本には「戦時中」は訪れなかったかもしれないが、世界を見渡せば、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、テロ戦争などなど戦さがない時期が、ほとんどないと言っていい。そして当事国の庶民の間には、あらゆる情報が飛び交い、様々な解釈が巻き起こり、色とりどりな判断が下されてきたことだろう。そして皆それぞれの立場で時流と付き合いながら自分の言動を調整したのだろう。なので戦時中は特殊なことではないのかもしれない。 多分僕は、「戦時中」において、自らの言動を調整する判断基準をどうするかが最も気になっているらしい。何を頼りに、どの情報を元にして、戦時中という荒波を泳ぎ切るか。僕自身が気をつけることは、どんな情報であれ、最終判断は自分でやるしかない、ということだ。テレビでも新聞でもネットでも、おそらく信頼できる情報はあるし、もちろん鵜呑みにするには危険なものもある。一つのニュースでも信じれることとそうでないこととがある。紛れもなく信じられることとは何か。今回のロシア・ウクライナ問題に関して言えば、多数の非戦闘員が亡くなっているということ、これは恐らく信じていいだろう。それ以外に信を置ける内容があるか?と僕は強く思っている。そしてそこを出発点として枝葉の内容を吟味する様にしている。 それと、これは変な言い方だけど、情報料のかからない情報は、あまり信用しないことにしているし、もっと根本的には、どんな情報であろうと、自分の「良心」がちゃんと、これはまともな情報だと感じているかどうかを尊重している。そして「正義」がどちらかに偏る論調に眉を顰めるようにしている。冷静に考えれば、戦争をやっている当事者の一方が完全に正しいと言えるはずがないし、言ってはならない。 だが、生きるためには、立場を明言しなければならないのも確かだ。戦うときには戦わなければならないから。この矛盾を、矛盾として自分の責任で抱える覚悟を持つこと。現実的な包容力を鍛えること。辛いけどこれしかないんだろうなあ、と思う。そして安易な判断をできるだけ避けるようにすること。これだけは気をつけたい。 2022.4.24 前のコラム|次のコラム |